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【IT系・人材開発/キャリアコンサルタント】 IT×経営×キャリコンで挑む「人的資本時代の人材開発」――誰もが自律的に学び、輝ける組織OSをデザインする

【院生の声/1期生リレー連載 No.12】

 ITエンジニア、人事、そしてキャリアコンサルタントとして多様な現場を経験してきた、久保 美紀(くぼ みき)さん。技術と人に寄り添う支援の両面を理解する立場から、本学では「人的資本経営を現場で実装するリスキリングと組織OSの構築」をテーマに研究を進めています。
 AI時代に求められる“自律的に学び続ける人材”をどう育むか。企業の現場で培った実践知を教育学・経営学の視点で再構築し、個人と組織が共に成長する未来の人材開発のあり方を探究しています。

目次

  1. 自己紹介:エンジニアから人事、そして「伴走者」としての歩み
  2. なぜ本学に入学したか:AI時代の「光と影」に向き合うために
  3. 本学で学び始めて感じていること:「越境」が生む視点のアップデート
  4. 今取り組んでいる研究内容:「人的資本経営」を現場で具現化するリスキリング
  5. 今後の展望と、入学を検討されているみなさんへのメッセージ
  6. PROFILE(プロフィール)

1. 自己紹介:エンジニアから人事、そして「伴走者」としての歩み

 みなさん、こんにちは。教育テック大学院大学の久保美紀です。
私はこれまで28年間、社会人生活は一貫してIT業界に身を置いてきました。大学卒業後、「ロボット(モビルスーツ)を作りたい」という夢を抱いてエンジニアとしてキャリアをスタートさせましたが、転機となったのは出産です。

 時間に制約ができたことで、現場のエンジニアから、採用や教育といった人事・管理職の仕事へシフトすることになりました。
 当時は「エンジニアの道が途絶えた」と悩み、中途半端な自分に不完全燃焼感を抱える日々もありましたが、上司から「現場を知る久保さんの視点こそが、今の組織に必要だ」と言われたことで、「みんなと同じである必要はない。私なりの役割がある」と気づくことができました。

 現在は、副業でキャリアコンサルタントとしても活動する「パラレルキャリア」を歩みつつ、50代人生の後半戦をさらに充実させるべく、日々学びを楽しんでいます。

2. なぜ本学に入学したか:AI時代の「光と影」に向き合うために

 キャリアコンサルタントになり「キャリアとは轍(わだち)、その人が残した人生そのものである」という言葉に出会いました。
 IT業界の最前線にいると、AIがもたらす効率化という「光」の一方で、これまでの仕事が失われるという「影」への不安も強く感じます。技術革新で働き方が激変する今、労働者が不安に怯えるのではなく、いかに円滑に新しいスキルを習得し、自律的にキャリアを築いていけるか。

 ライフイベント・環境の変化を乗り越えながら働く人々に、新しい「学び」の選択肢を提示したい。多くの方の「自分らしいキャリア」を支援するため、教育・情報・経営リーダーシップの融合を体系的に学び、組織開発に活かしていきたい。そう考え本学への入学を決意しました。

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3. 本学で学び始めて感じていること:「越境」が生む視点のアップデート

 入学して得られた最大の収穫は、多様なバックグラウンドを持つ院生との「越境」体験です。教育現場、行政など、異なる領域で戦う仲間と議論を交わすことで、民間企業の「当たり前」が相対化され、教育学や理論に基づいた観点が自分のマネジメント・組織開発に活かせているのを感じています。
 これまでの実務で得た「実践知」を、アカデミックな視点で一度解きほぐし、再構築していくプロセスは、自分自身の視座を一段高く引き上げてくれる非常に刺激的な体験です。

  また、先日は、同期生の富岡順子さんが企画する高校生向けキャリア教育の授業に社会人講師として登壇しました。

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授業時スライド資料-抜粋

 起業家の同期生6名に混ざってやや異質な存在でしたが、私らしくパラレルキャリアのご紹介をさせていただきました。

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参加院生たちの記事はコチラからご覧いただけます。

普段は社会人・組織向けのご支援が多いので、高校生向け授業での登壇は初めての経験。  社会人大学院に通っていなかったら、このような機会はなかったですし、共に切磋琢磨できる同期生との繋がりにも感謝しています。

4. 今取り組んでいる研究内容:「人的資本経営」を現場で具現化するリスキリング

 私の研究テーマは、『人的資本経営を加速させる「自律変革型」組織の構築と、現場リーダーのリスキリング』です。
 現在、多くの企業が「人的資本経営」を掲げていますが、経営戦略と現場の実践の間には依然として大きな乖離があります。私は、この乖離を埋める鍵は、現場リーダーの役割・意識転換にあると考えています。

 2024年、厚生労働省も方針を転換し、キャリアコンサルタントに必要な能力として従来の「個人の相談支援」に加え、「組織(環境)への働きかけ」を新たに提示しました。キャリアの自律は個人の努力に委ねるのではなく、組織の仕組みや上司の意識そのものを変革しなければ、実現できないという認識です。

 本研究では、組織の特性に合わせ、個人と組織の学びを循環させる組織OSフレームワークを考案したいと考えています。従業員やパートナーを含むすべての「協働者」が自律的に学び、その成長が企業価値や社会貢献へと直結する。そんな「人中心の経営」を仕組み化することを目指しています。

5. 今後の展望と、入学を検討されているみなさんへのメッセージ

 修了後は、研究中のフレームワークを実社会に実装し、「人の可能性を最大化するために事業がある」というパラダイムシフトを支援していきたいと考えています。

 キャリアコンサルタントの方には「個人の支援から、組織への介入へ」という国の大きな潮流の中で、学校・企業の「経営」「ICT」「教育」という本学での学びが武器になると考えています。テクノロジーを理解し、教育を変革するための理論を学ぶことは、キャリア支援の可能性を広げてくれるはずです。

「新しい自分を探求する努力を惜しまない」――これが私のモットーです。

 社会人として経験を積んできたからこそ、理論と実践が結びついた時の納得感は格別です。迷いや葛藤は、新しい学びを輝かせるための大切なスパイス。人生の後半戦をさらに豊かなものにするために、ぜひ私たちと一緒に、教育の可能性を切り拓いてみませんか。

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1期生の同期や、ゼミ仲間の交流から研究に繫がる情報交換や新たなヒントが生まれているそうです。
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【松田ゼミ親睦会】

6. PROFILE(プロフィール)

久保 美紀(くぼ みき)さん
 IT企業の知見で組織開発を支援するパラレルキャリアのコンサルタント
IT企業 開発事業部長 兼 経営企画部。国家資格キャリアコンサルタント、MyCL認定キャリア講師®、株式会社MentorFor公式メンター、青山学院大学「ADPISAプログラム」テクニカルコーチなど社会人教育を実施。
 1997年、エンジニアとしてキャリアをスタート。出産を機に人事・管理職へと転換し、「現場のわかる人事」としての強みを確立。管理職として、育児と仕事の両立における葛藤を乗り越えた経験を持つ。現在はパラレルキャリアとしてエンジニアや管理職のキャリア支援、DE&I推進にも注力。「キャリアは人生そのもの」を信念に教育テック大学院大学に入学。誰もが自律的に学び、価値を生み出せる「人的資本経営」の社会実装を目指し研究中。

【所属ゼミ】
松田孝教授ゼミ
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松田孝教授のnote記事はこちら

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