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【学校法人運営】

【院生の声/1期生リレー連載 No.12】

  地方の私立大学では、少子化や定員割れなど厳しい経営環境に直面し、合併や経営統合を具体的に検討する段階に入っています。
  こうした変化の最前線に立つ、新潟県の私学の学校法人に所属する清水 葵(しみず まもる)さんは、地方小規模大学の現状を踏まえ、教職員が組織運営の視点や体系的な知識を身につけ、“備え”を高める必要性に着目。合併時代に適応しうる教職員組織のあり方をテーマに研究を進めています。

1.なぜ本学に入学したか


 学校法人OCC主催の「Team Swimmy大学経営研究会」に参加し、大学院の新設を知ったことがきっかけです。
 地元・新潟県の学校法人に転職してから13年目に入り、日常業務や降りてきた仕事を処理するだけで役割を果たしているとは言えないと感じていました。大学業界に関する知識や担当業務の経験はそれなりに積みあがってきたとはいえ、そうした知識・経験は断片的で理論的な裏付けや体系性に欠け、「あれこれ知っているようで深く知らない」職員になってしまっているな、という問題意識もありました。
 よい学びの機会はないかと探しているときに大学経営研究会を知って参加し、さらにそこで大学院の学生募集の話を伺いました。新潟からでもフルオンラインで学べることや、所属法人の理解と後押しが決め手となり、入学させてもらえることになりました。

2.学び始めて感じていること


 入学前は「日本の私立大学の」経営を学びたいという意識が強かったのですが、入学後はむしろ、幼児教育・初等中等教育、さらには海外を含めた教育の動向を知る機会があることに意義を感じています。
 担当業務に関わる高等教育の政策動向は習慣的に気にかけているものの、「GIGAスクール構想」や「未来の教室」プロジェクトを通じた初等中等教育の変化はあまり意識したことがありませんでした。1EdTechコンソーシアムの動向など、国際的な教育の情報化の動きも守備範囲外でした。
 担当業務に直接は関連しないといえ、将来的な大学教育のあり方には確実に影響するため、そうした知識に触れられることは非常に良い刺激になっています。

3.入学後の生活スタイル

 平日夜の授業は、職場の自席でそのまま受講しています。帰宅は遅くなってしまいますが、私にとっては居心地の良い職場で、自宅よりもPC/ネットワーク環境が良いため、むしろ快適に受講できていると思っています。
 講師の先生に質問したり、同期生と意見を交わしたりできるので、授業は極力リアルタイムで受けるようにしています。学期末は課題レポートが溜まってきてプレッシャーを感じましたが、睡眠時間を削って何とか乗り切りました。

4.今取り組んでいる研究・活動やその面白さ

「大学合併時代に適応しうる教職員組織の開発」というテーマで研究に取り組んでいます。
 中教審の「知の総和」答申において示された通り、地方においては私立大学が単独での生き残りを模索する段階は既に終わり、地元の高校生に進路選択の幅と質を確保するために、合併や経営統合を含めた連携を真剣に検討しなければならない段階に入りました。
 私立大学は規模が大きいほど経営が安定する傾向にありますが、スケールメリットを目的とする合併の頻度は他の業種と比べて少なく、各地に小規模の新設校が点在しています。その理由は様々あるとはいえ、少子化に加えて物価高が経営を圧迫するなかでこの状況は長続きせず、合併・集約は遠からず一気に増えるだろうと予想しています。
 合併が当たり前のように起こってくる時代に向けて、大学の教職員はどのような備えをするべきか。その点に関心があり、大学経営や大学の組織に関する先行研究に当たっています。
 これまで、論文に書かれていることは実務に使えないだろうという思い込みがあり、それらに目を通すことはほとんどありませんでした。大学院に入り、論文の探し方や読み解き方を教えていただいたのでやってみると、ネットで簡単に検索でき、すぐに読めて、相応の信頼性のある情報が得られるので、「これを活用しない手はない」と考えが変わりました。大学職員の人材育成に関する論文は実感と重なる部分が多く、興味深く読んでいます。

5.今後の展望や、読者に伝えたいこと


 私の所属校も地方小規模大学として、厳しい経営環境にあることは例外ではなく、時間的猶予は多くありません。学んだことを早く職場に還元できるよう、学内への発信も意識したいと思っています。
 大学院進学を検討されている方には、学校種を限定せずに「教育と経営」「教育と情報」を学べる醍醐味を伝えたいです。私自身、入学前は「大学職員だから、大学について学べる機会がほしい」という考え方で、所属している学校種にとらわれていましたが、結果的には大学以外の話題に触れることで視野が広がっていると実感しています。
 

MY Profile


学校法人新潟青陵学園 新潟青陵大学 学務課 課長補佐。
都内の大学卒業後、企業信用調査会社に約7年勤務。
2012年に学校法人新潟青陵学園に入職し、社会連携・経常費補助金・科研費・IR等を担当。
2020年に学務課に配属され、現在は大学・短期大学部の教務を担当しています。
ニュースで目にした大学の事業報告書と財務諸表を流し読み、その大学の経営状態に思いを巡らせることが半ば趣味となっています。

【所属ゼミ】
 
木岡 一明 教授
 ・木岡教授のnote記事はこちら

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