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現場の課題を「研究」で乗り越える。新たな実践知を生み出す仲間へ / 大和田 茂 教授

保育と出会うまで

初めまして。大和田茂と申します。
私は情報系の研究者ですが、教育、特に保育の現場に関心を持ったのは比較的最近のことです。大学院でコンピューターグラフィックスを専攻し、博士号を取得した後、様々な研究分野を渡り歩きましたが、最終的に「世の中に具体的な貢献ができる分野」を求めるようになりました。

そんな中、2018年におもちゃ制作イベントに参加したことが転機になりました。異業種との交流、そして何より「作ったものが実際に子どもたちに使ってもらえる」という経験が新鮮でした。保育園との関係が深まり、保育士とともにクラウドファンディングに挑戦したり、他園の見学に連れていってもらううちに、自分の情報科学のスキルを活かせる保育の現場に可能性を感じ、自分の研究を「保育テック」と名付け、それまでの研究をやめ、保育研究に全振りすることにしました。

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「双方向紙芝居」 くらき永田保育園でのデモ
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「ナラベルパネル」クラウドファンディング即日成功

https://youtube.com/watch?v=RxYtyjxsNU0%3Frel%3D0

「外部の研究者」から「現場の一員」へ

最初の研究テーマは、現場の課題を解決するカメラ「HoikuCam(保育カメラ)」の開発でした。写真整理の負担軽減を目指したこのアイデアはとあるコンテストで優勝しましたが、現場での実証実験は、明らかな失敗に終わりました。音声認識への抵抗感など、外部の人間には見えにくい現場ならではの多くの制約があることを痛感したのです。

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保育カメラ研究の歴史

外部の立場からの研究開発の限界を感じた私は、2020年に保育士の資格を取得しました。その年の6月から、実際にパート保育士として現場に入らせていただきました。研究者として、約4年間、保育の現場の肌感を学び、現場の制約や考え方を深く理解できたことは、今でも非常に貴重な財産となっています。

実践を支える研究へ ― 保育カメラの現在地

「HoikuCam」はその後、紆余曲折を経て、現在はiPhoneとApple Watchを使った「VisRef」という、保育実践振り返りアプリとして完成度を高めています。動画をAIで分析し、保育実践の質評価に関する研究も進めており、AIの恩恵を受けながら、さらに現場に役立つツールへと進化させています。

VisRef: 保育カメラと省察 | Hoikutechhoikutech.com

「現場あってこその研究」を実現する大学院で

このような研究開発活動を続ける中で、長い歴史を持つ大阪キリスト教短期大学が教育テックをテーマにコンセプトを一新し、総合研究所を設立するというプランにお声がけいただきました。そして、現場経験豊富な社会人の学び直しの場として大学院大学が設置されるというお誘いも受け、「現場あってこその研究」という考える私も、参加させていただくことになりました。
本学には、経営、経済、教育学、政策学など、多様なバックグラウンドを持つ講師陣がいますが、私は特に技術に関心のある学生の皆さんを歓迎しています。

AIと研究手法で、実践を問い直すゼミ

私のゼミでは、人類史上最も強力かつ破壊的な道具であるAIを「どう活用するか」をテーマに、皆さんが現場で抱えている課題を解決するための探索的な情報共有からスタートします。
そして、論理的な思考と研究の手法を身につけていただくことをテーマにしています。経験や直感に頼りがちな教育実践の現場で、
● 自分の課題と類似の課題にアプローチした先人の知恵を十分に学ぶ。
● あえて主観を排し、冷徹な論理を持って自分の実践を評価し、改善する。
という方法論を学ぶことで、現場の様々な課題を解決する強力なスキルを身につけることができると信じています。研究活動は、これまで多くの研究者が磨き上げてきた、様々な課題解決に応用できる、最も優れた手段なのです。

現場で悩む皆様へ

現場で様々な悩みを抱える皆様、ぜひ本学にお越しいただき、これまでとは違った「研究的なアプローチ」で実践を高めていけるスキルを身につけていただきたいと思います。
また、私個人としては、現場でのご経験が豊富な皆さんから、多くのことを学ばせていただけることを心から期待しています。
意欲に溢れる皆様とお目にかかれる日を楽しみにしております!

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