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モヤモヤを大切に、回り道しながら探究する / 妹尾 昌俊 教授

活力あるチームはなにが違うのか?

 「教職員が活き活きしていて、おもしろそうな授業などにチャレンジできている学校と、疲れきってあまり元気のない学校がある。両者の違いはなにで、どこで生まれるのだろう?」
 ちょっと漠然としていますが、もう10年以上この問いをモヤモヤと考え続けています。スポーツなどの世界、たとえば、サッカーでも、活力あるチーム、メンバーが互いにいい影響を与えあって成長しているチームと、停滞気味で、今期はうちはダメだなどと諦めかけているチームがありますね。両者の違いは、どこで生まれるのでしょうか。資金力やリーダーの資質、あるいは運だけでは説明できない気がします。
 それから、サッカーでも個人の力はもちろん大事ですが、それだけでは勝てるとは限らない。チームとしてうまくワークするかどうかも大事ですよね。なのに、教育政策では「教師の資質・能力の向上」といった言葉が度々登場しますし、マスコミなどでも「最近は教員の質が~」といった論調がたまに出ます。個人の力量にちょっと頼り過ぎじゃないかなと思います。

レールから外れる、あるいは、もともとレールなんてない?

 自己紹介が遅くなりました、妹尾昌俊と申します。上記はわたしの問題関心の一部ですが、2016年に独立・起業する前後から、日本の学校教育をよくしたい思いから、いろんな場所に出かけています。これまで書籍12冊、ネットや教育専門誌でもたくさん記事を書いていますが、多くは、教育関係者と飲み会などで語り合ってきたことがベースになっています。本学、教育テック大学院大学でも、学生のみなさんや同僚の先生たちと、互いに学び続けられるチームになれたらと思っています。

※妹尾が起業した思いなどはコチラのインタビュー記事にも

 わたし自身はもともとは教育畑ではなく、20歳前後のころは法学部でした。まわりは司法試験を目指す人もたくさんいましたが、刑法の教科書が眠すぎて、早々に挫折。教職課程にも興味はありましたが、道徳教育論という授業が、これもすごく眠くて(すみません、25年以上前の話です)、教員免許取得もやめました。
 中央教育審議会の委員もしているとか書くと、ちょっとエラそうに見えるかもしれませんが、わたしの遍歴は、まっすぐな道を突っ走って来た、というものからはほど遠く、失敗や試行錯誤、途中で道を変えてきたことの連続です。約10年前に大企業を辞めて、教育関係で起業するぞ、というときも、周りからは「もったいない」「食っていけない」などいろいろ言われました。
 でも、1度きりしかない人生ですし、その時々で、自分にとってワクワクするほうを選ぶということで、いいんじゃないかなと思います。学校での進路指導や親の教育観では、人生でレールを踏み外すな的なものって、まだまだ強いかもしれません。でも、レールなんてあるんですかね?

世の中は問いにあふれている

 本学では、20代から60代まで、さまざまな経験や個性をもつ学生と一緒に、これまで疑問だったこと、モヤモヤしていることを、探究していけるのが魅力です。わたし自身も40代で二度目の大学院修士(教育学関連)を取るなど、学びなおしも実践中です。
 要するに、眠くなるようなことには人生を割かず、おもしろそうなことになるべく時間を使ったほうがいいじゃないですか(もちろん、必要におうじて眠くなる論文等と格闘するときもありますが)。
 世の中には、好奇心がくすぐられる問いや難題にあふれています。とりわけ、幸か不幸か、学校教育や教育政策にはたくさんの伸びしろ(要改善点など)があります。いますぐに探究したいことが明確でなくてもかまいません。なんとかしたいこと、とても心配なこと、おもしそうなことで、何かひっかかり、教育×経営×ITという本学の強みとマッチしそうなら、ぜひみなさんも参加してみてください。

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普段はオンラインですが、9月にはゼミで学校視察をしました。
生徒主体の学校づくりを進める泉大津市立小津中学校のみなさんと。

※妹尾の連載記事として、たとえばコチラ

※書籍の紹介
https://www.amazon.co.jp/stores/%E5%A6%B9%E5%B0%BE-%E6%98%8C%E4%BF%8A/author/B078NDLXNG?ref=ap_rdr&isDramIntegrated=true&shoppingPortalEnabled=true

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