閉じる

ピックアップ

「自分が求めていた学びの場がここにありました!~居場所だらけの学校づくりを目指して~

【教育イノベーター Voice 1期生リレー連載 No.8】

北海道の町教育委員会で、全国に前例のない新たな公立学校設立の形に挑む、
2025年入学1期生・室田 ひろみさん。
その原動力は、教育テック大学院大学で得られる“学びの化学反応”でした。子どもたちの未来のために、地方の教育を変えたい——。
距離・制度・環境という「壁」を越えて、本気で学びたいと願い続けた10年。
ようやく出会えたのが、「フルオンライン」「教育DX」「教育経営」——
自分の想いにぴたりと重なった学修環境との出逢いでした。
本記事では、その学びの軌跡をたどります。

目次

  1. なぜ、今この大学院で学ぶのか
  2. 新しい教育の形
  3. 今後の展望と皆様へのメッセージ
  4. Profile

 みなさんこんにちは。
 教育テック大学院に第1期生として、北海道から学びに参加している室田 ひろみ と申します。
 実はここ10年程、自分のキャリアと業務に合わせて「大学院で学びたい!」「もっと専門的に学びを深めたい!」という思いと「学び欲」がずっとふつふつと心の中にありました。

1.なぜ、今この大学院で学ぶのか

 北海道という土地柄、通信制の大学院なども調べ、相談会や面接等も受けていましたが、共通して必ず立ちはだかる壁にぶつかっていました。
それは「距離の壁」「総合的な学びが難しい壁」でした。

 通信制大学院の相談会では、
「スクーリングがありますからね…一番遠くて、青森の方ですね。津軽海峡を越えるとちょっと大学院の学びは難しいですよ。休職して入学されるなら…」や、「1つの研究テーマにしぼって、その研究テーマに合う1人の先生にしぼって入試希望をしてください」とのお話をいただき、あきらめかけていた時に、教育テック大学院が開校することを知りました。
 「フルオンライン」「教育DXと経営」「教育界の変革を推進する」…自分が求めていたキーワードがちりばめられていて、「ここなら自分の求めている学びの場がある!!!」と確信して、入学させていただきました。

2.新しい教育の形

 現在私は、学校現場での教員生活を経て、町の教育委員会で「新しい学校づくり推進室 指導主事」として、文科省委託事業「先導的学びの環境整備事業」を基盤とし、全町民がWell-beingに過ごせる学びの拠点となる複合施設と、そこに開校する幼小中一貫義務教育学校の設立を目指し準備を進めています 。全国にも前例のないこのプロジェクトを進める中で、教育のDX(デジタル・トランスフォーメーション)と、学校経営の枠にとどまらない経営・運営マネジメントの必要性を痛感していました。

 学校教育の枠組み自体も大きな転換期を迎えている中で、学校現場でも子ども達の未来のために何とかしていきたいと思っているものの、コロナ禍を経て、社会の大きな変化とデジタル化、不登校の増加、教職員不足に加えて、地方小規模自治体においては人口が減少し、統廃合が進む中で学校も減少、都市部との環境格差も拡大…等、どこから手を付けていいかわからないほど課題は山積みで、子ども達も夢と未来を描きにくい雰囲気になっているのが現状です。本来であれば、子どもたちには学びを進めていくにしたがって夢や可能性を広げていってほしいと思いながら、消去法で進路を選択するような、また、選択肢さえない現実に直面しているのが地方の子ども達の現状です。
「小さな町の大きな夢のつまった学校」を何としてでも具現化させていくために、最先端の知見と学び、実務経験に基づいた研究を進められるフィールドが自分にとって必須でした。それが教育テック大学院で、今1つ1つ叶えられ形作られています。
 そして、さらに、あたたかく研究に伴走してくださる先生方や職員のみなさん、多様な背景を持つ学生同士の出会いと授業でのコミュニケーションからは、「学びの化学反応」と感じるほどの刺激とエネルギーをいただいています。入学しなければ、出会うことのなかった「人とのつながり」「学びとのつながり」ばかりです。毎時間の授業が楽しみです!

3.今後の展望と皆様へのメッセージ

 仕事と学業の両立は決して楽ではありません。でも、それ以上の大きな「学びがい」があります。第1期生として入学して本当に良かったと思いながら、仲間と励まし合いながら取り組んでいます!

4.Profile

・北海道公立小学校教諭(大規模校、小規模複式校、小中併置校など様々な校種を経験) 
・公認心理師、臨床発達心理士として、教育相談、カウンセリング、特別支援コーディネーター、通級指導なども担当し、授業のユニバーサルデザイン化にも取り組む。 
・現在、北海道中頓別教育委員会 指導主事として勤務。中頓別町教育支援センター、なかとんフリースクールも運営しながら、新しい学校づくりに取り組む。北海道教育委員会スクールカウンセラーとして、宗谷管内の学校も巡回。 

研究テーマ:
「(仮)地域複合施設一体型の幼小中一貫義務教育学校の学校運営とカリキュラムマネジメント  〜人生100年の学びの拠点「中頓別学園」の教育実現に向けて〜」


所属ゼミ
 藤本 典裕 教授 ゼミ

資料請求はこちら 入学説明会はこちら